前回はコーディネーショントレーニングについて7つの項目について紹介をしました。
ここでは、実際にどんなことをするのか。
具体例をいくつかあげていきます。
□びんしょう性を高めるトレーニング 代表的なトレーニングとして「ラダートレーニング」があります。
ラダードリルラダー(梯子状のトレーニング器具)を地面に置き、さまざまなステップパターンで素早く通過します。
例えば、「インアウトステップ」(両足をラダーのマスに出し入れする)や「サイドステップ」(横に移動しながらラダーを踏む)などがあります。1
0~15mのラダーを使用し、1セット10回程度、3~5セット行います。
ポイントは、軽快なリズムで足を動かし、地面を軽く蹴るように意識すること。
初心者はゆっくり正確に動き、慣れてきたらスピードを上げます。サッカーやバスケットボールなど、素早い方向転換が必要なスポーツに特に有効です。
□バランス能力を鍛えるトレーニング バランス能力は、姿勢制御や安定性を高めるために重要です。
特に高齢者や怪我のリハビリに効果的です。
シングルレッグスタンス 片足で立ち、30秒~1分間バランスを保ちます。
慣れてきたら、目を閉じたり、ボールを投げたりキャッチしたりして難易度を上げます。
1日3~5回、左右の足で行います。このトレーニングは体幹の安定性を高め、転倒防止にも役立ちます。
バランスボード 不安定なボードの上で立つ練習。ボードが揺れる中でバランスを保つことで、足首や体幹の筋肉を強化します。
1回2~3分、2~3セットが目安。サーフィンやスケートボードなど、バランスが重要なスポーツに効果的です。
□反応速度を向上させるトレーニング 反応速度は、刺激に対して素早く反応する能力を養います。
スポーツでの素早い判断や動き出しに役立ちます。
リアクションキャッチ パートナーと向かい合い、相手がランダムにボールを落としたり投げたりするのをキャッチします。
距離は2~3m、10~15回を1セットとして3セット行います。ボールの色や形を変えることで難易度を調整可能。テニスやバレーボールなど、瞬時の反応が求められる競技に適しています。
コーンタッチドリル 5~6個のコーンをランダムに配置し、コーチやパートナーの指示(例:「赤のコーン!」)に従って指定されたコーンにダッシュしてタッチします。
1セット10回、3セットが目安。視覚や聴覚の刺激に対する反応を鍛えます。
□リズム感と協調性を養うトレーニング リズム感は、動きのタイミングやスムーズな動作に必要です。全身の協調性を高めるトレーニングが有効です。
リズムジャンプ 音楽やメトロノームに合わせて、決まったリズムでジャンプします。
例えば、2回小刻みにジャンプした後、大きく1回ジャンプするパターンを繰り返す。1分間を3セット行います。リズムに合わせて動くことで、神経系と筋肉の連携が向上し、ダンスや体操に役立ちます。
ミラードリル パートナーと向き合い、相手の動きを真似します。相手が手を振ったり、ステップを踏んだりする動作を即座に模倣。1セット2分、3セットが目安。子どもや初心者に楽しく、協調性と集中力を養います。
□空間認識と動作の正確性を高めるトレーニング 空間認識能力は、身体の位置や周囲の環境を正確に把握する力です。
障害物回避ドリル コーンやロープをランダムに配置し、走りながら障害物を避けたり、ジャンプしたりします。
例えば、ジグザグに走りながらコーンを避け、最後にゴールでボールをキャッチするなど。
1セット10回、3セット行います。サッカーやラグビーなど、複雑な動きが必要な競技に有効です。
ボールパスドリル 複数人で円形に立ち、ランダムにボールをパスし合います。
パスする相手を瞬時に判断し、正確に投げることで空間認識と協調性が向上。1セット3分、3セットが目安です。