筋力トレーニングや慣れていない運動などをしたあとで筋肉に痛みを感じたことがあると思います。
体を動かす時に筋肉の伸び縮みに合せて痛みを感じる感覚のことです。
ゆっくり動かしていると幾分か痛みもやわらいできます。
だからなのか、いわゆるケガをした時の痛みとは感覚的に違うと分かる人がほとんどたと思います。
この現象を一般的に筋肉痛といい、正確には遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness, DOMS)と呼ばれます。
筋肉痛が起こる理由は
□筋肉が普段よりも強い負荷を受けると起こります。
特に、筋肉が伸ばされながら力を発揮する「伸張性収縮(エキセントリック収縮)」が関与する運動
(例:下り坂のランニングやウェイトを下ろす動作)は、筋繊維に微細な損傷を引き起こしやすいです。
これらの損傷は、筋肉の細胞膜や結合組織に小さな裂け目を作り、炎症反応を誘発します。この炎症が筋肉痛の主な原因の一つです。
神経系の関与で運動後に筋肉が硬くなり、動き始めに痛みが強くなるのは、筋肉の柔軟性が一時的に低下し、神経が過敏になっているためです。
同じ負荷や運動を続けていると筋肉が負荷に慣れていくので筋肉痛が出にくくなります。
筋肉痛が消えると体に変化が現れます。
筋繊維の損傷が修復された状態になるので、以前よりも強い筋肉になります。
この現象を超回復と呼びます。
筋肉痛を繰り返し経験することで、筋肉は徐々に肥大します。
これは、筋繊維が太くなり、筋肉の断面積が増えるからです。
また、筋肉量の増加に伴い基礎代謝が向上します。
これにより、体脂肪の管理や体重コントロールがしやすくなります。
筋肉痛を乗り越えた経験は、精神的な達成感や自信をもたらします。
運動を継続することで、ストレスホルモンのコルチゾールが減少し、幸福感を高めるエンドルフィンが分泌されるからです。
筋力トレーニングや運動を始めたばかりの頃は筋肉痛でつらいと感じる時間もあるかもしれませんが筋肉を成長させるための過程のひとつになります。
体を動かすことを継続してより良い体作りをしましょう。