スポーツをしていて、肘の内側が痛くなった時に疑うべき疾患について紹介をしていきます。
肘の内側が痛くなった時によく聞く名称に野球肘やゴルフ肘があります。
どんな症状なのかは知らなくても名前は聞いたことがあるかもしれません。
それでは話を進めていきます。
どちらもオーバーユースによって起こる症状になります。
肘の内側に痛みを感じますが原因は同じではありません。
野球肘から解説していきます。
野球肘と呼ばれるものには離断性骨軟骨炎と内側側副靭帯損傷があります。
□離断性骨軟骨炎 ここでは肘の関節の同じところに繰り返し負荷がかかったり、一瞬の強い負荷が加わったりすると軟骨や骨などに血流障害が起きます。そうすると障害を受けた骨の一部が壊死して、その場所に付着している軟骨が剥がれ落ちてしまいます。これが離断性骨軟骨炎の原因になります。初期段階に特徴的な症状はありませんが、関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると痛みを自覚するようになります。痛みが強くなるとスポーツの継続が難しくなります。
□肘の内側側副靭帯損傷 体が出来上がってきて、筋肉のパワーが上がってくると肘の関節の同じところに繰り返し負荷が加わることで靭帯や筋肉を痛めしまいます。靭帯が部分断裂もしくは完全断裂の状態になります。損傷の度合いにより保存療法で回復できものと手術療法が必要なものに分かれます。痛みを我慢してもいいことはないので、おかしいと感じたら専門家に確認してもらいましょう。
□上腕骨内側上顆炎 同じ動作を繰り返し行うことで肘の内側に痛みが出ます。手首を動かすと痛みが出ることが多いです。これは指や手首を動かす筋肉の付着部に炎症が起きることで刺激が加わると痛みがでます。初期段階では安静にすると回復します。重症化すると日常生活に支障がでてきます。
このように同じような場所が痛くなっても、痛みの原因になる部分は厳密には同じではありません。
また、痛みが無くなったとしても、痛みにつながる動きを改善していかないと痛みを繰り返す可能性が高いので、痛みが消えたから終わりではなく、各競技の技術的な部分の見直しも必要になると考えられます。