ヒートショックについて②

ヒートショックの予防について、話を進めていきます。

ヒートショックを防ぐための方法を効果の高い順に詳しく紹介します。

これらを全部実践すれば、死亡リスクは1/10以下になると言われています。

【最重要・効果No.1】浴室と脱衣所を徹底的に暖める(死亡リスク70〜90%減)

理想 脱衣所・浴室ともに22℃以上をキープ

具体的方法  浴室暖房乾燥機(推奨)を使う → 入浴30分前から「暖房」運転

暖房がない場合 → 入浴前にシャワーを全開で5〜10分出し、湯気で浴室を満たす(湿度80%以上に)

脱衣所に電気ストーブや小型ヒーターを置く(タイマーで30分前からON)

脱衣所のドアを開けたまま暖房 → 廊下から暖気が流入

科学的根拠 東京ガス等の実験で、脱衣所温度を10℃→22℃に上げただけで血圧上昇幅が68mmHg→15mmHgに激減

【効果No.2】湯温は41℃以下に厳守(42℃以上は絶対NG)

安全温度:38〜40℃(冬は40℃が最適)

危険温度:42℃以上(血圧変動が2倍以上に)

対策 風呂自動機能で「40℃保温」に設定。温度計で必ず確認

研究データ:41℃ vs 43℃では、最大血圧変動が90mmHg → 210mmHgと2倍以上違う

【効果No.3】「かけ湯」を10回以上・最低1分以上行う正しいかけ湯のやり方(これが超重要!)

足先から太もも → 10回

両手・腕 → 10回

お腹・胸 → 10回

肩・背中 → 10回

→ 合計40回以上、1分以上かけて体を徐々に慣らす

効果 急激な血管拡張を防ぎ、血圧降下幅を60%抑制

【効果No.4】入浴時間は10分以内(長湯厳禁)安全時間:10分以内(半身浴でも同様)

危険時間:15分以上(血圧が下がりすぎて立ち上がれなくなる)

対策:防水時計やタイマーを浴室に持ち込む

【効果No.5】立ち上がりを極端にゆっくり(3段階で30秒以上)

危険行動 湯船から一気に立ち上がる(これで毎年数千人が溺死)

正しい立ち方  浴槽のふちに両手をつかむ

ゆっくり腰を上げる(10秒)

そのまま座ったまま10秒待つ

立ち上がる(10秒)

→ 合計30秒以上かけて立ち上がる

効果 立ちくらみによる転倒・溺死をほぼゼロに

【その他の重要予防法】飲酒後の入浴は2時間以上空ける(飲酒直後の入浴は死亡率10倍)

入浴前にコップ1杯の水を飲む(脱水予防)

高血圧の人は夕方〜夜の入浴を避ける(朝〜昼が最も安全)

家族に「今からお風呂入るね」と一声かける(発見が早ければ救命率90%以上)

浴槽に手すりを設置(立ち上がり補助)

少しの心がけで、できるものばかりなので、面倒くさがらずに実践しましょう。

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