肋間神経痛と帯状疱疹の違い

物にぶつかった記憶がないのに肋骨のあたりに痛みを感じる。

このような相談を受けるケースがあります。

いろいろなことが考えられるのですが、原因が見当たらずに肋骨のあたりに痛みを感じる場合は、

肋間神経痛や帯状疱疹のことが少なくありません。

これは胸部に沿って痛みがでることが多いからです。

このふたつは痛みの出る場所こそ同じことが多いですが原因などは全く同じではありません。

そこで違いについて解説をしていきます。

肋間神経痛は肋間神経の機械的・炎症的な刺激による一般的な神経障害で、帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化による感染症になります。

肋間神経痛の原因は多岐にわたり、主に非感染性です。

脊髄から出て胸壁を走る肋間神経が圧迫・損傷されるのが根本で、代表例は外傷(転倒、打撲による肋骨ひび)

筋骨格系の問題(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)、加齢による神経脆弱化、糖尿病性神経障害です。

また、急性発症が多く、原因が特定できない特発性ケースもあります。

一方、帯状疱疹は感染症特有の原因を持ちます。水痘(みずぼうそう)を過去に経験した人が、

免疫低下(加齢、ストレス、がん治療、ステロイド使用)で体内に潜伏したVZVが再活性化します。

50歳以上の発症率が急増し、免疫不全者で重症化しやすい。

肋間神経に沿ってウイルスが神経節で増殖し、炎症を起こすため、神経痛が生じます。

肋間神経痛が「機械的・多因子的」なのに対し、帯状疱疹は「ウイルス感染特異的」な点が最大の違いです。

肋間神経痛が「動作誘発性で一過性」なのに対し、帯状疱疹は「皮膚症状を伴う持続・慢性化しやすい」点が異なります。

治療は肋間神経痛が「対症療法中心」なのに対し、帯状疱疹は「感染制御と後遺症予防」が優先されます。

予後では、肋間神経痛の90%が3ヶ月以内に完治し、後遺症稀。

一方、帯状疱疹は80%が自然治癒するが、帯状疱疹後神経痛で慢性痛が残り、特に高齢者でQOL低下大。

 

 

 

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