ここ数年、夏場の気温が上昇して、さらに気温の高い期間も長くなっています。
気温が高ければ体力を消耗しやすいなど健康に対してマイナスになることが少なくありません。
その代表的なことがらといったら熱中症になると思います。
この事は毎日、注意喚起されているので知らない人はいないでしょう。
気温上昇によるリスクについて紹介をしていきます。
高温環境では、体温調節機能が過剰に働き、熱中症(熱射病や熱疲労など)が発生しやすくなります。
熱中症は、体温が上昇しすぎることで臓器にダメージを与え、重症化すると死亡リスクが高まります。
特に以下の要因が関与します。
□体温調節の失敗 人間の体は汗をかくことで体温を調節しますが、高温多湿な環境では汗が蒸発しにくく、冷却効果が低下します。これにより体温が危険なレベル(40℃以上)に上昇することがあります。
□脱水症 高温下での発汗により水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)が失われ、脱水症を引き起こします。脱水は血液濃縮や循環不全を招き、心臓や腎臓に負担をかけます。
□高齢者の脆弱性 高齢者は体温調節機能や水分摂取の感覚が低下しているため、熱中症になりやすいです。また、基礎疾患(心疾患、糖尿病など)がある場合、熱ストレスに対する耐性が低く、重症化リスクが高まります。
高温は心血管系に大きなストレスを与えます。
特に以下のようなメカニズムが関与します。
□心臓への負荷増加 体温調節のため、心臓は血液を皮膚表面に多く送り込んで冷却を試みます。これにより心拍数が増加し、心臓に負担がかかります。心不全や高血圧の患者では、この負担が致命的になることがあります。
□血液濃縮 脱水により血液が濃縮され、血栓形成のリスクが高まります。これが心筋梗塞や脳卒中の引き金となる場合があります。
□電解質異常 汗によるナトリウムやカリウムの喪失は、不整脈を引き起こすリスクを高めます。
高温多湿な環境は呼吸器系にも影響を与えます。
□空気質の悪化 高温時にはオゾンやPM2.5などの大気汚染物質が増加し、呼吸器疾患(COPD、喘息)の悪化を引き起こします。これにより、呼吸不全や肺炎のリスクが高まります。
□高湿度の影響 高湿度では肺の換気効率が低下し、呼吸困難を引き起こすことがあります。特に高齢者や呼吸器疾患患者では、この影響が顕著です。
このように気温上昇は健康被害を及ぼすことがあります。