首や肩に痛みやシビレを感じて、なかなか治らない・つらさが増していくといったことがあれば
病院やクリニックを受診する人も少なくないと思います。
受診先でレントゲンなど検査をした結果、「頚椎症です」と言われることがあります。
首に原因があると分かっても、どのような状態なのか。
よく分からないという方のために頚椎症について整理します。
頚椎は7つの骨で構成され、頭部を支え、脊髄や神経根を保護しています。
この骨が加齢による椎間板の変性や骨の変形(骨棘形成)、靭帯の肥厚などが原因で、頚椎の構造に異常が生じ、首や肩の痛み、しびれ、運動障害などが現れることがあります。
そして、頚椎の構造的異常が確認できて、何かしらの症状がある時の総称が頚椎症になります。
この時点では原因の核心をついていないとも言えます。
典型的な症状
□肩の痛み・こり 特に朝起きた時や長時間同じ姿勢を続けた後に悪化。
□腕や手のしびれ 神経根が圧迫されると、腕や手にしびれやピリピリ感が生じる。
□筋力低下 重症の場合、手や腕の力が弱まり、物をつかみにくくなる。
□頭痛やめまい 頚椎の異常が血流や神経に影響を与える場合。
□脊髄症の症状 重度の場合は、脊髄が圧迫され、歩行障害や手足の麻痺、排尿・排便障害が起こることも(頚椎症性脊髄症)。
主な原因
□加齢 椎間板の水分が減少し、クッション機能が低下。骨や軟骨が変形し、骨棘(こっきょく)が形成される。
□不良姿勢 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による「前傾姿勢」が頚椎に負担をかける。
□外傷 むち打ちなどのケガがきっかけで発症する場合がある。
□遺伝的要因 一部の人では遺伝的に椎間板変性が起こりやすい。
□生活習慣 運動不足や喫煙、ストレスなどが間接的に影響する。
治療は症状の重症度によって、保存的治療と手術的治療に分けられます。
軽度~中等度の場合
□薬物療法 消炎鎮痛剤(NSAIDs)、筋弛緩剤、ビタミンB12(神経の回復を助ける)が処方される。
□理学療法 首のストレッチや筋力強化運動、姿勢矯正を行う。牽引療法も有効な場合がある。
□生活習慣の改善 正しい姿勢を保つ、枕の高さを調整する、過度な負荷を避ける。
□温熱療法やマッサージ 筋肉の緊張を和らげ、血流を改善。