膝の痛みで悩んでいる人は少なくありません。
膝が痛むといっても原因はいろいろとあります。
今回はホッファ病という障害について話を進めていきます。
別名を膝蓋下脂肪体炎と言います。
ホッファ病は、膝蓋脂肪体が炎症を起こしたり、肥大したりすることで、膝の痛みや可動域制限を引き起こす状態です。
膝蓋脂肪体は、膝関節の前方にあり、膝蓋骨と脛骨の間に存在する脂肪組織で、関節のクッションとして機能します。
この部位が繰り返しの外傷や圧迫、過剰な負荷により炎症を起こすと、ホッファ病が発症します。
重症化すると、脂肪体が線維化したり、瘢痕組織が形成されたりして、慢性的な痛みや機能障害を引き起こすことがあります。
この疾患は、スポーツ選手や膝に負担がかかる職業の人に多く見られますが、日常的な動作でも発症する可能性があります。
主な症状は、膝の前面、特に膝蓋骨の下部に感じる痛みです。
□膝前面の痛み 膝蓋骨の下部を押すと痛みが強くなる(Hoffa’s sign)。
□腫脹 脂肪体が炎症を起こすと、膝の前面が腫れたように見えることがあります。
□可動域制限 膝を完全に伸ばしたり曲げたりする際に、痛みや抵抗感が生じることがあります。
□圧迫感 膝を動かす際に、脂肪体が関節内で挟まるような感覚(インピンジメント)を訴える患者もいます。
□活動時の悪化 階段の上り下り、走る、ジャンプするなどの動作で痛みが強まることが多いです。
□慢性的な場合 膝の動きが制限され、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。
適切な治療により、ほとんどの場合良好な予後が期待できます。
保存的治療で数週間~数ヶ月で症状が改善することが多いです。
まずは、膝に負担をかける活動(特にスポーツ)を一時的に控えます。
痛みを改善するために、炎症を抑えるため、痛みのある部位にアイスパックを10~15分間当てます。
また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が痛みと炎症の軽減に役立ちます。
そして、膝周囲の筋力を強化し、関節の安定性を高めます。
状況によって、テーピングや装具で膝蓋骨の位置を調整し、脂肪体への圧迫を軽減します。
あまりにも、炎症が強い場合、局所的なステロイド注射が考慮されることがあります。
脂肪体が著しく肥大・線維化している場合は手術が検討されます。
気になる時は、専門家にそうだんしましょう。