膝蓋大腿疼痛症候群について

痛みを感じれば原因があると考えることは不思議な事ではありません。

現実は原因が必ず見つかるとは限りません。

この時の原因とはあきらかな器質的異常や損傷をさします。

今回は膝蓋大腿疼痛症候群について話を進めていきます。

膝蓋大腿疼痛症候群とは、特に若い成人や運動をする人に多く見られる膝の前面の痛みを引き起こす状態です。

痛みを改善するために考えられる要因をひとつずつ取り除いていく事になります。

主な要因は

□筋力のアンバランス 大腿四頭筋(特に内側広筋)の弱さや、臀部筋(中臀筋など)の機能低下が膝蓋骨の動きを不安定にします。

□バイオメカニクスの問題 扁平足、膝の外反(X脚)、股関節の不安定さなどが膝蓋骨のトラッキング(動きの軌道)に影響を与えます。

□過剰な負荷 ランニング、ジャンプ、スクワットなどの反復的な膝への負担が関節軟骨や周辺組織にストレスを与えます。

□柔軟性の低下 ハムストリングや腸脛靭帯の硬さが膝蓋骨の動きを制限します。

□外傷や解剖学的要因 過去の膝の怪我や、膝蓋骨の形状異常(高位膝蓋や低位膝蓋)も関与します。

□生活習慣 長時間の座位(「映画館サイン」と呼ばれる)や不適切な靴の使用も症状を悪化させます。

特徴的な症状

□膝前面の痛み 特に階段の昇降・走る・しゃがむ・長時間座った後の立ち上がり時に悪化する。

□軋轢音 膝を動かす際にゴリゴリとした音や感覚が伴うことがあります。

□軽度の腫れ 重症例では膝蓋骨周辺に軽い腫れが見られる場合もある。

□不安定感 膝蓋骨の動きが悪いため、膝が「抜ける」感覚を訴える人もいます。

治療と予防

□安静と活動調整 痛みを誘発する活動を一時的に控え、膝への負担を軽減する。

□理学療法 大腿四頭筋(特に内側広筋)や臀部筋の強化・ストレッチング(ハムストリング、腸脛靭帯)・膝蓋骨のテーピングや装具による安定化。

□薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を短期間使用し、痛みや炎症を抑える。

□靴やインソールの使用:足のアーチをサポートするインソールや適切な靴を選ぶことで、バイオメカニクスを改善する。

□生活習慣の改善 体重管理や長時間の座位を避ける工夫する。

予後PFPSは適切な治療と管理で改善するケースがほとんどです。

ただし、慢性化する場合もあり、筋力やバイオメカニクスの問題を放置すると再発リスクが高まります。

早期の介入と継続的なケアが重要になります。

 

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