前回・前々回と脱水症状・汗をかく意味についての話を進めていました。
このふたつは熱中症を理解するために大切な内容になります。
それを踏まえて熱中症を紹介します。
熱中症は体が暑さによって、体温を適正に保てなくなり、いろいろな症状を引き起こします。
日本の場合、特に夏場は高温多湿という環境も関係してきます。
この事が前提条件にあることを頭に入れておきましょう。
熱中症を引き起こすリスク
□高温多湿な環境気温が高いと、体は汗をかいて熱を逃がそうとします。しかし、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体の熱が効果的に放散されません。
□体内の水分・塩分不足汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
熱中症を起こしやすい環境や行動
□長時間の屋外活動夏の炎天下での作業や運動(例:建設現場、スポーツ大会)は、体に大きな負担をかけます。
特に、直射日光下では体温が急上昇しやすく、熱中症のリスクが高まります。
厚生労働省の報告では、熱中症による死亡事故の約半数が屋外作業中に発生しています。
□室内での熱中症も増加しています。エアコンを使わない高齢者や、換気の悪い部屋に長時間いる場合、体温が上昇しやすくなります。
特に高齢者は体温調節機能が低下しており、暑さを感じにくいため、気づかないうちに熱中症になることがあります。
□不適切な服装通気性の悪い服や厚手の服を着ると、熱が体にこもりやすくなります。
例えば、夏に長袖の作業服や防護服を着る必要がある場合、熱が逃げにくくなり、熱中症のリスクが高まります。
個人差によるリスク
□高齢者は汗をかく能力が低下し、子どもは体表面積に対する体重の比率が大きく、熱がたまりやすい傾向があります。
□糖尿病や心疾患、肥満などの持病がある人は、熱中症のリスクが高まります。
□疲労や睡眠不足疲労や睡眠不足は体のストレス耐性を下げるため、熱中症になりやすくなります。
熱中症は防ぐことができるので、環境や体調に注意を払って、早めに対策を取りましょう。