ある日、突然、肩が痛みで上がらなくなってしまう。疾患があります。
一般的に四十肩や五十肩と呼ばれますが、正式な名称は肩関節周囲炎といいます。
この疾患を罹患して、肩が上がらない状態は肩や腕が動かせないと思ってもいいかもしれません。
肩関節周囲炎は肩関節を構成する筋肉、腱(特に腱板)、滑液包、関節包などの軟部組織に炎症や線維化が生じる状態を指します。
症状で知っておきたいことは
□痛みはほとんど片側に現れて、両側の場合はかなり稀
□痛みが出現する時にはっきりとしたきっかけがない
□肩の動きが制限されてしまう(腕をあげられない)
痛み方によって分類があります。
□炎症期 一番痛みが強い時期になり、じっとしていてもズキズキしたり、夜になると痛みが増してきたりします。
□拘縮期 じっとしている時などの痛みは治まってくるが、肩の動きは制限をされて思うように動かせきれない。
□回復期 痛みも治まり、肩の動きもよくなってくる。
このような順番を経て症状が回復をしていきます。
痛みが出てから回復するまでの期間は個人差が大きく数週間〜数年となります。
一番つらい時期は炎症期と呼ばれる強い痛みを発症している時になり、どうやって痛みを緩和させるのか悩む人が多い期間でもあります。
痛みの強い時期は痛み止め(内服薬・塗り薬・湿布)で痛みを和らげたり、肩関節への注射やブロック注射などが選択される。痛みの度合いと相談をしながら、患部の温熱や筋肉の緊張を緩和させるといった方法も有効に働くこともある。
肩関節周囲炎は、痛みと可動域制限を特徴とする一般的な疾患ですが、
自然経過で改善するケースも多い一方、長期化する例も存在するので、痛みが消えたあと、
肩の動きを以前のように動かせるように訓練をしていくことは大切になります。
ここで少しがんばらないと痛みがなくなっても、肩が動かくなってしまうこともあるからです。