痛みの話③

痛みの話についての解説が続いています。

急性痛については痛みのシステムや原因にアプローチをしていくと痛みの改善がみられやすいことからも

実際に痛みがでてしまったとしても痛みを理論的に減少させていくことも経験できるので理論もシステムも理解しやすいはずです。

日常会話で出てくる痛みの話の主役になるのは慢性痛で間違いなく

また、この痛みがなかなか掴みどころがないので、痛みを改善するための絶対的な方法がありません。

痛みを取り除く方法はいろいろと情報としてあがってきています。

人によって効果のあるなしが分かれると思います。

慢性痛の改善方法はあくまでも確率論が色濃くなるからです。

痛みの話①の回で出てきたように慢性痛は痛みを無くすことが目的ではなく、

あくまでもADLやQOLに支障をきたさないことが最大の目的になります。

あくまでも鎮痛は副次的効果にすぎないということです。

ここが腑に落ちるまで時間がかかったり、理解できなかったりします。

しかし、ここをクリアすると一気に慢性痛に対しての向き合い方が進みます。

特に慢性痛は複雑系の要素が強くなります。

複雑系とはさまざまな要素が相互に影響し合い、全体として予測不能な挙動を示すシステムのことを指します。

これらの要素はお互いに独立して動くわけではなく、相互作用を通じて複雑なパターンや動的な挙動を生み出します。

具体例して

□多数の構成要素 多くの個々の要素がシステムを構成し、それらが相互作用する。

□非線形性 小さな変化が大きな影響を及ぼす場合がある。

□自己組織化 システムが自律的に秩序ある構造やパターンを形成する。

□適応性 環境の変化に対してシステムが適応する能力を持つ。

このような理論が慢性痛を理解していくことに役に立ってきます。

理論を覚えて痛みの理解につなげようとすると難しいですが、

経験している痛みを理論に当てはめていくと理解しやくなります。

次回は慢性痛に対する具体的な方法を紹介します。

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