痛みを改善するために硬くなっている筋肉をマッサージや電気などを利用して、筋肉を刺激しながら和らげていきます。
このような感じで、硬くなっている筋肉をほぐすと聞いたとしてもなんの疑いも持たない人が多いと思います。
たいていの場合は、この行動をして改善がみられなくても、悪化することほとんどありません。
だからこそ、悪い(痛い)場所は硬いと認識が広く浸透しているのではないかと思います。
しかし、筋肉が硬くなっている部分に対して刺激をいれてはならない時もあります。
異所性骨化といって本来は骨が存在するはずのない軟部組織や筋肉の中に骨が存在することをさします。
異所性骨化の枠の中に骨化性筋炎・動脈硬化や脊椎・関節周辺の靭帯の骨化が入ります。
症状は
□痛み
□腫れ
□熱感
□関節の可動域制限
原因は外傷性と非外傷性になります。
外傷性が60〜75%を占めていると言われ、思春期から青年期かけて多く好発部位は肘・大腿部・殿部になります。
このようなデータから異所性骨化は外傷から起こる確率が高くなることが分かります。
具体的には骨折・脱臼・捻挫・打撲になります。
非外傷性のものは脊髄損傷や遺伝的なものになります。
異所性骨化の見分け方は血液検査と画像所見を総合して判断します。
初期の段階ではどちらの検査でもはっきりとしないこともあるので経過観察になることが多いです。
観察期間はおおよそ2〜4週くらいになるようです。
治療方法は保存療法で鎮痛薬・包帯固定などをおこなうことで自然に骨化した部分が小さくなったり、消失したりします。
手術療法が適応される時は、関節可動域が制限されたり、血管や神経の圧迫が認められたりすると発症から6ヵ月が過ぎて骨化が成熟したタイミングで行われるようです。
異所性骨化の禁忌は
□過度の運動訓練・リハビリ
□損傷した部位を強く揉む
□適切な固定・安静期間を守っていない
これらを守らないと症状を悪化させたり、治療期間が長くなったりします。
痛みが数日でなくならない時は専門家に相談しましょう。