前回はギックリ腰の話をしました。その他に腰に強い痛みを感じて比較的、多い疾患は腰椎椎間板ヘルニアがあります。「ヘルニア」といったら聞いたことがある人も少なくないと思います。正確にいうとヘルニアといった場合、部位も合わせないと分からないのですが、一般の人が話をしている時にヘルニアと出てきたら腰を指していることが多い気がします。
腰椎椎間板ヘルニアについて紹介をしていきます。どんな病気かというと骨と骨の間にある椎間板というゼリー状のクッションがあり、このクッションが神経を圧迫してしまい腰・足の痛みやしびれが出てきます。何となくここまでの神経を圧迫して起こると知っていると思います。どんな圧迫の仕方をしているのかは知っている人は少ないと思うのでタイプからいきます。
□膨隆突出型 髄核が繊維輪の内側にとどまっている
□後縦靭帯下脱出型 髄核が繊維輪を飛び出しているが後縦靭帯の内側でとどまっている
□後縦靭帯脱出型 髄核が繊維輪を飛び出して、後縦靭帯も突き破っている
□遊離脱出型 髄核が繊維輪を飛び出して、後縦靭帯も突き破り、さらに髄核が後縦靭帯の先で分離している
このように分けられています。一般の人が知ったから症状が消えるのかといったら、そんな事はありませんが治療の説明を聞き選択する時に初めて聞く言葉よりも聞いたことがあるというだけで話が頭に入ってきやすくなるので、もし、腰椎椎間板ヘルニアの手術の話が出た時は、聞いたことがあるだけでも役に立つことがあるかもしれません。
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法は、よほど日常生活に支障が出るような痛みやしびれ・排尿排便障害などがない限りは薬物療法・運動療法・装具療法などの保存的治療が選択をされます。おおむね3〜6ヶ月で症状は治まるといわれています。
症状が治まったら、今後、腰椎椎間板ヘルニアにならないのかといったら、再発をする可能性がゼロではありません。再発率は5〜10%といわれていますが、特別高いわけではないので、心配しすぎることはないと思います。