手を使った時に痛みが出てしまうと不便になってしまいます。痛くなる理由は、使い過ぎや手をついて捻るなどのケガのケースが圧倒的に多いと思います。どちらのパターンでも痛くてつらい思いをすることは間違いありませんが、ケガのほうが順調に回復をしていくことが多いように感じます。これは組織を傷つけての痛みになるので組織が修復して回復していくと痛みも同時に消えていくことが多いからになります。
使い過ぎによる痛みはケガの時よりも痛みが長引くことが多いようです。手を動かさずに生活をすることが難しいからです。意図的に手を使わせないようにすることは不可能ではありませんが、あまりにも不便になるのでこれを望んで行う人もいません。
手の使い過ぎによる代表的な疾患はふたつあります。ばね指とドケルバン病になります。
□ばね指 指の腱やその周辺の組織に炎症が起きます。指を曲げると引っかかる感じがして同時に痛みも出ます。曲げると指の腱が引っかかったままになるので曲がった指は自力で真っすぐに戻せなくなります。症状が軽度のうちは朝方に症状は強く、日中になるとさほどきにならなくなることもあります。進行していくほど指がカクカクなり重度になると動かなくなります。更年期の女性・妊娠出産期の女性・手をよく使うスポーツや仕事の人がなりやすいです。どの指でもなりますが、多いのは親指と中指になります。
□ドケルバン病 親指を動かす短母指伸筋腱と短母指外転筋が手首の背側にある腱鞘で起きる炎症のことを指します。腱鞘は筒状になっていてその中を短母指伸筋腱と短母指外転筋が通っています。この腱が腱鞘と擦れ続けると炎症を起こしスムーズに動かなくなります。動く時の刺激で痛みがその都度出現します。更年期の女性・妊娠出産期の女性・手をよく使うスポーツや仕事の人がなりやすいです。親指をグーで握った時に手首のあたりに痛みが出たらドケルバン病の可能性が高くなります。