世の中には言葉が先走り本来の意味から少しずれてしまったり、意味の幅が狭くなったりすることがあります。そのような言葉のひとつにヘルニアがあります。もちろん、実体験や環境によって差があるとは思います。首や腰に痛みを抱えている人限定なのかもしれませんが、ヘルニアというとこの部位を連想する人が多いような気がします。もちろん、実体験や環境によって差があるとは思います。
ということでヘルニアの意味を整理しながら首や腰について考えていきます。
ヘルニアの語源はラテン語になります。意味は「脱出」になります。
医学的観点でヘルニアと呼ぶ時は臓器が本来ある場所から何かしらの影響によってできた体内の裂け目や孔から突出(脱出)した状態になった時の総称になります。
一般的に多いヘルニアは鼠径ヘルニア(脱腸)・臍ヘルニア(デベソ)・椎間板ヘルニアなどがあります。もしかしたら聞いたことがある言葉かもしれません。ヘルニアは起きている部位によって受診する診療科が変わってきます。
整骨院や治療院など相談を受けるヘルニアは頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアが多く、当院では結果的に胸椎椎間板ヘルニアだったこともあります。
頚椎・腰椎のどちらも椎骨と椎骨の間に椎間板というゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む繊維輪で出来ていて衝撃を吸収する役割があります。髄核を囲むように繊維輪が存在します。この繊維輪に亀裂が入るなどするとこの隙間から髄核飛び出します。この飛び出した髄核が神経根や脊髄を圧迫するように触れると神経に異常をきたすような症状が出現します。その症状は痛みやシビレ・筋力低下などになります。
椎間板ヘルニアが発症の主な理由はスポーツや重い荷物など持った時に椎間板に強い圧力がかかった時や加齢とともに椎間板の水分が減少しクッション性を失うことになります。
椎間板ヘルニアはレントゲン検査では写らないのでMRIの撮影が必要になります。