ハンガーノックとは、主に持久系スポーツ(マラソン、ロードバイク、トライアスロンなど)で起こる。
エネルギー枯渇による極端なパフォーマンス低下と強い倦怠感・空腹感の状態を指します。
冬の期間は、特に持久系スポーツのシーズンとなるので、耳にすることがあるかもしれません。
簡単にいえば、エネルギーが足りなくなるということです。
人間の体は運動時に主に2つのエネルギー源を使います。
□糖質(グリコーゲン)
肝臓と筋肉に貯蔵されている量は合計で約400〜600g(1600〜2400kcal程度)。
高強度の運動では1時間で60〜100g以上消費されるため、2〜3時間でほぼ枯渇します。
□脂肪
いくらでも貯蔵されているが、脂肪をエネルギーにするには酸素が必要で、高強度では供給が間に合わず、低〜中強度でしか主燃料にならない。
運動開始後2時間前後で筋グリコーゲンと肝臓グリコーゲンが尽きると、血糖値が急激に低下します。
脳はほぼ100%ブドウ糖でしか働けないため、血糖が下がると意識レベルの低下・判断力低下・極端な疲労感
イライラ・震え・めまいなどが一気に襲ってきます。
これが典型的なハンガーノックの症状です。
有名な症状を出すと急に足が動かなくなる(35㎞の壁)は聞いたことがあるかもしれません。
これは運動時における生理的現象なので対策をすれば防止できます。
予防方法(最も重要)
□試合前日〜当日のカーボローディング
グリコーゲンを最大限貯蔵する(パスタ、米、パンなど)
□運動中の補給を徹底
・1時間あたり30〜90gの糖質摂取が推奨(個人差あり)
・ジェル、スポーツドリンク、エナジーバーなどを15〜30分おきに少量ずつ
・最近は「60〜120g/時」摂取が可能な「高糖質摂取トレーニング」も流行している。
□レースペースの管理
最初に飛ばしすぎるとグリコーゲン消費が早まり、ノックしやすくなる。
□カフェインの活用
脂肪燃焼を促し、グリコーゲンを節約する効果がある。
ハンガーノックになってしまった時は、対処法即座に糖質を摂る(ジェル、コーラ、飴、ブドウ糖タブレットなど)
可能なら座るか横になる。
おおよそ、個人差はあるが15〜30分程度安静にすると回復し始める。

















