心臓肥大について

筋肉を動かして鍛えると筋肉は少しずつ大きくなります。

この場合、大きくなる筋肉の種類は随意筋になります。

これは自分の意思で動かせる筋肉なります。

自分の意思で動かせいない筋肉を不随筋といって心筋と平滑筋があります。

心筋については、負荷がかかると心臓は大きくなります。

心臓が大きくなるにも、生理的心臓肥大と病的心臓肥大があります。

この違いに紹介をしていきます。

生理的心臓肥大は、持久力トレーニングを長期間行うアスリートに見られる生理的な心臓の適応現象です。

主にマラソン、自転車競技、水泳などの有酸素運動を高強度で継続的に行うことで、心臓が効率的に血液を送り出すために変化します。

アスリートハートともいい、病的なものではありません。

病的心臓肥大は、高血圧、弁膜症、心筋症、虚血性心疾患など病気が原因で起こる心臓の構造的変化です。

心臓が過剰な負荷に耐えるために肥大する「代償反応」ですが、長期的には心不全や不整脈のリスクを高めます。主な特徴心筋の著明な肥厚

特に左室壁が13mm以上(重症例では20mm超)と顕著に厚くなる(肥厚型変化)。

アスリートハート vs 病的心臓肥大 比較表

項目 アスリートハート 病的心臓肥大
原因 運動トレーニング(生理的) 病気(高血圧、弁膜症、心筋症など)
心腔サイズ 拡大(特に左室拡張末期径↑) 正常または縮小
壁厚 軽度増加(~13mm未満) 著明増加(13mm以上)
心拍数 徐脈(40〜60/分) 正常または頻脈
心機能 向上(心拍出量↑) 低下(拡張・収縮障害)
可逆性 あり(休止で正常化) なし(進行性)
症状 なし(無症状) あり(息切れ、胸痛など)
心電図 徐脈、軽度異常 左室肥大電位、ST-T異常
予後 良好(健康) 悪い(心不全・不整脈リスク)

アスリートハートは「健康な心臓の適応」であり、運動能力向上のための生理的変化です。

一方、病的心臓肥大は「病気のサイン」であり、心不全への前段階です。

両者は見た目(心エコー所見)が似ていても、原因・可逆性・予後が全く異なります。

気になる時は専門家にみてもらいましょう。

 

 

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