膝が痛い時に水が溜まっている・溜まっていないということ言われことがある人は少なくありません。
膝に水が溜まるといわれたら、ほとんどの人は膝の表側をイメージする思います。
しかし、膝の裏側に水が溜まることもあります。
実際、膝の裏に水が溜まっていますと伝えると驚く人もいます。
膝の表裏のどちらにも水が溜まることはありまりますが、今回は膝の裏に溜まる水について解説をしていきます。
膝関節の中には「関節液」という滑らかな動きを助ける液体が常に分泌されています。
この関節液は、膝の奥にある「半膜様筋滑液包(はんまくようきんかつえきほう)」という小さな袋とつながっていることが多くあります。
何らかの原因で膝関節内に過剰な関節液がたまり、圧力が高まると、その液体が後ろの滑液包に押し出されて袋状に膨らみます。
このように水がたまっている状態をベーカー嚢腫と言います。
ベーカー嚢腫は「症状」ではなく、膝の内部の問題が外に現れた「結果」になります。
主な原因は成人の場合、約80~90%で以下のような膝の病気が背景にあります。
□変形性膝関節症(最も多い)
□関節リウマチ
□半月板損傷(特に内側半月板後角の断裂)
□前十字靭帯損傷
□関節内遊離体
□痛風や偽痛風などの結晶性関節炎
子どもでは、膝に明らかな異常がなくても生じることがあり、自然に消えるケースも多いです。
症状
□膝の裏がぽっこりと膨らむ(押すとプニプニする)
□膝を完全に伸ばすとつっぱる感じがする
□膝を深く曲げると痛い(座って足を組むのがつらいなど)
□歩くときの違和感
ただし、小さい嚢腫では無症状のことも多く、MRIやエコー検査のついでに発見されることもあります。
治療の基本方針「嚢腫だけを治療する」のではなく、根本原因となっている膝の病気を治療することが最も重要です。
ベーカー嚢腫は「膝の中の病気が膝の裏にサインを出している状態」なので、
膝の裏に腫れがあっても慌てず、まずは専門家に膝全体をしっかり診てもらうことが一番大切です。

















