小さい頃は大人と比べると風邪など病気になりやすかったりします。
体力がない・免疫力がないといったところが理由になると思います。
そこで免疫力について紹介をしていきます。
免疫力とは、簡単に言うと「体が病気から自分を守る力」のことです。
細菌、ウイルス、カビ、寄生虫、がん細胞などの「外敵」や「異常な自分」を認識して、
それらを排除・攻撃する仕組みになり、生命を維持するために必要なものになります。
免疫の主な役割
□感染防御(風邪、インフルエンザ、食中毒など)
□がん監視(毎日発生するがん細胞を排除)
□傷の修復・炎症制御
□アレルギーや自己免疫疾患の抑制・調整
免疫の2大システム
①自然免疫(先兵・即応部隊)敵か味方かの判断基準が大雑把 → 「人間の細胞じゃないものは全部敵!」みたいな感じ
パターン認識受容体(PRR)で、細菌の細胞壁成分(LPSなど)やウイルスのRNAなどを「パターン」として認識
代表選手マクロファージ・好中球 → とにかく「食べる」(食細胞)
NK細胞 → ウイルス感染細胞やがん細胞をパンチで殺す
補体システム → 血液中のタンパク質が連鎖反応で敵に穴を開ける
炎症を起こすのも自然免疫の仕事(熱が出るのはこれが原因)
→ 例:手指を切った瞬間から、好中球が集まってきて細菌を食べ始める
② 適応免疫(特殊部隊・記憶部隊)敵を「顔写真付きで覚える」レベルで認識(1兆種類以上の敵を区別可能)
樹状細胞が敵の断片(抗原)を拾ってリンパ節に持っていき、T細胞・B細胞に「この敵を覚えろ!」と教育
B細胞 → 抗体工場になる(IgM→IgGなどにクラススイッチ)
キラーT細胞 → 感染細胞を直接殺す
記憶細胞 → 一生(または数十年)残って、次に同じ敵が来たら即座に全軍出動
→ 例:一度かかった水ぼうそうは二度とかからない(記憶細胞がいるから)実際の感染症での流れ(例:インフルエンザウイルス)1分後
└ 自然免疫:粘膜のマクロファージがウイルスを食べる、インターフェロンで周囲に警報
数時間後
└ 自然免疫:好中球・NK細胞が総攻撃、炎症で熱が出る
3〜7日後
└ 適応免疫:T細胞・B細胞が本格参戦、抗体が大量生産される
10日後
└ ウイルス排除完了
└ 記憶細胞が残る → 来年同じウイルスが来ても即座に撃退(ほぼ発症しない)
このようになります。
一見、免疫力が上がると良さそうですが、上がりすぎると自分自身を攻撃してしまいます。
大切なのは、
自然免疫が最初に戦って時間を稼ぎ、その間に適応免疫が「特注の武器」を作る。
両方が連携して初めて「強い免疫」になるというのが現代免疫学の基本的な理解になります。

















