運動を継続していると体が鍛えられて、筋力が増したり、持久力が増したりします。
具体的には筋トレをすれば、筋肉が大きくなる・スタイルが良くなる・ランニングなら持久力が上がるなどが
イメージしやすいと思います。
運動を継続していると体にいろいろな変化を感じることができます。
運動の強度によりますが、強度の高い運動をしていると心臓を鍛えることにもつながっていきます。
これは、定期的に強度の高い運動やトレーニング行うアスリートにみられる心臓の適応現象になります。
この心臓の適応現象をアスリートハートといいます。
アスリートハートの定義は心臓がより効率的に血液を送り出すために適応した状態です。
この現象は、特にランニング・サイクリング・水泳・サッカー・バスケットボールなどの
持久系スポーツやウェイトリフティングのような筋力系スポーツに従事するアスリートに顕著に見られます。
主な原因は、運動による血流需要の増加です。
持久系運動では、心臓は大量の血液を全身に送り出す必要があり、これにより心腔(特に左心室)のサイズが拡大し、心筋が肥厚します。
一方、筋力系運動では、筋肉への抵抗が増えることで血圧が上昇し、心臓はより強い圧力に対抗するために心筋を厚くします。
これらの変化は、心臓が効率的に酸素を供給し、代謝要求に応えるための適応になります。
アスリートハートの特徴
□心筋の肥厚 左心室の壁が厚くなり、心臓の筋肉量が増加します。これは、特に筋力系アスリートに顕著です。
□心腔の拡大 持久系アスリートでは、左心室や左心房の内腔が拡大し、より多くの血液を収容・送り出せるようになります。
□徐脈(低心拍数) 安静時の心拍数が一般の人(60~100回/分)に比べて低く、40~60回/分になることがあります。これは、心臓が1回で多くの血液を送り出せるため、少ない心拍数で十分な血流を確保できるためです。
□心電図の変化 心電図(ECG)で、軽度の不整脈や電圧の上昇、T波の異常などが見られることがありますが、これらは通常無害です。
□心機能の向上 心臓のポンプ効率が向上し、最大酸素摂取量(VO2max)が増加します。
アスリートの心臓は極端な運動負荷に耐えられるよう強化されています。
このため、アスリートは安静時でも低い心拍数で十分な血流を維持でき、運動時のパフォーマンスが向上します。