中学生くらいの年齢で膝が痛いと言ったりすると「成長痛だね」みたいな会話をしている光景はよくあると思います。
すべての人が通る道ではありませんが成長痛と言われた経験がある人は少なくないと思います。
成長痛と呼ばれるものにオスグットシュラッター病があります。
今回はこちらを紹介していきます。
成長期の子ども(特に10~15歳)に起こる膝のお皿の下あたりが痛むものになります。
主な原因
□成長期の骨の脆弱性 成長期には脛骨粗面の成長軟骨がまだ完全に骨化しておらず、機械的ストレスに弱い。
□過剰な運動負荷 サッカー・バスケットボール・陸上競技・バレーボールなど、ジャンプやランニング、急停止を繰り返すスポーツで発症しやすい。
□筋肉の硬さ 大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)が硬いと、膝蓋腱への負担が増加する。
主な症状
□膝下の痛み脛骨粗面(膝蓋骨の下、脛の骨の隆起部)に圧痛や運動時の痛みが生じる。特に走る・ジャンプする・階段を上る・しゃがむなどの動作で悪化する。
□腫れ・隆起 脛骨粗面が腫れたり、触ると硬い隆起が感じられることがある。
□運動制限 痛みのために膝を曲げたり伸ばしたりする動作が制限される。
□局所的な熱感 炎症により患部が温かく感じることがある。
症状は片方の膝に現れることが多いが、約20~30%のケースで両膝に発生する。痛みは運動後に悪化し、安静にすると軽減する傾向がある。
オスグッドシュラッター病は自然治癒することが多く、治療の主な目的は痛みの管理と再発防止になります。
□アイシング 運動後の痛みや腫れを軽減するため、患部を10~15分冷やす。
□ストレッチと筋力トレーニング 大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を高めるストレッチや、筋力をバランスよく強化する運動を行う。
□装具の使用 膝蓋腱に負担を軽減するサポーターやテーピングを使用する場合がある。
□薬物療法 痛みが強い場合、医師の指導のもとで非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することがある。
予後は良好で、ほとんどの場合、成長期が終了し骨が完全に硬化すると症状は消失する。