前回はむずむず脚症候群(RLS)がどういう疾患なのかを紹介をしました。
今回は症状や治療方法について話を進めていきます。
主な症状
□脚の不快感 むずむず・ピリピリ・焼けるような感覚。患者によって表現は異なり、「言葉で説明しにくい」と感じる人も多いです。
□動かしたい衝動 不快感に伴い、脚を動かしたり、歩き回ったりしたくなる強い衝動が生じます。
□時間帯の特徴 症状は夕方から夜間、特に就寝時に悪化します。安静時(座っている、横になっている)に顕著です。
□睡眠障害 症状により入眠が困難になったり、夜中に目が覚めたりすることが多く、結果として日中の疲労感や集中力低下を引き起こします。
□周期性四肢運動障害(PLMD) RLS患者の約80%に、睡眠中に脚や腕が無意識にピクピク動く「周期性四肢運動」が見られます。これはパートナーに指摘されることで気づく場合が多いです。
症状の重症度は、軽度(週に数回、軽い不快感)から重度(毎晩、強い不快感で睡眠がほぼ取れない)まで幅広く、患者の生活に与える影響も異なります。
RLSの治療は、症状の重症度や原因によって変わってきます。
一次性と二次性でアプローチが異なる場合があります。非薬物療法 生活習慣の改善:カフェイン、アルコール、喫煙を避ける。規則正しい睡眠スケジュールを維持する。
□運動 適度な運動(ウォーキング、ストレッチ、ヨガ)は症状を軽減します。ただし、過度な運動は逆効果になる場合もある。
□マッサージや温冷療法 脚のマッサージや温浴、冷湿布が不快感を和らげる場合があります。
□鉄分補給 血清フェリチンが低い場合、鉄剤(経口または点滴)やビタミンCの摂取が推奨されます。
□薬物療法 ロピニロール、プラミペキソールなどが第一選択薬。少量で効果的だが、長期使用で「オーギュメンテーション(症状の悪化)」が起こるリスクがある。
ガバペンチン、プレガバリンは神経痛や不快感の軽減に有効。特にオーギュメンテーションが問題の場合に使用する。
重症例で他の治療が効果不十分な場合、低用量のオピオイドが使用されることがあります。
ベンゾジアゼピンは睡眠改善を目的に短期間使用される場合もある。
RLSは完治が難しい場合もありますが、適切な管理により症状をコントロールし、快適な生活を送ることが可能です。
症状に悩む場合は、早めに神経内科や睡眠専門医を受診し、専門的な評価を受けることをおすすめします。