肩を動かした時に痛みが出てしまう症状の代表格といってもいい疾患にインピジメント症候群があります。前回紹介した肩関節周囲炎は肩が動かないので同じ肩の痛みでもタイプが違います。
インピジメント症候群の症状は肩を上げる動きをする時に関わってくる腱が骨にぶつかって(擦れて)しまい。その瞬間に痛みが出現します。本来は腱がスムーズに動くので骨にぶつかることはないのですが、肩の動かし方や肩を構成する骨・筋肉・腱などの構造的な位置関係によって負担のかかる動かし方を繰り返すと発症しやすくなります。
どんな人がなりやすいのか。野球のボールを投げるなどオーバーハンドの動作が多いスポーツをしている人や加齢によって起きる人まで幅広い層で起きやすい疾患になります。
治療方法は痛みを出す動きを極力しないようにすることが基本になります。その上で肩に対して局所的な治療をします。具体的には
□肩の安静 肩の動きを制限して、肩自体に負担をかけないようにします。
□リハビリ 肩を動かす筋肉のインナーマッスルの強化をして肩関節の安定化を目指します。そして、肩の周りにある筋肉の柔軟性を獲得するためにストレッチなど行います。
□薬物療法 痛み止めを使用し痛みを緩和せて筋肉の緊張を取り除きます。ヒアルロン酸注射やステロイド注射など行い肩の回復を図ります。
これらを組み合わせてもなかなか改善がみられない時に手術療法が選択されます。
患部の痛みが治っても特に痛めるきっかけがスポーツなど繰り返しの動作が関係している可能性が高いのならば肩周りのエクササイズを行い肩の動きの改善や安定性を向上させることで再び症状を繰り返すことがないようにすることが望ましいと思います。
メニューは
□胸椎伸展のエクササイズ
□前鋸筋・僧帽筋下部エクササイズ
□肩のインナーマッスル強化
など適切に動かせるようになる訓練を重ねるといいと思います。今までのクセを改善する必要もあるので焦らずに継続していきましょう。