ここ数回で筋肉からサルコペニアの話につながってきました。サルコペニアの次はフレイルの話をしていきます。サルコペニアには身体機能が衰えていくことがメインの状態になり、ここに精神・心理的問題と社会的問題が加わってくるとフレイルと呼ばれる状態になります。
フレイルとは何か。健常から要介護へ移行する段階といわれています。基本的には加齢から始まりますが、個人差がものすごくあります。要介護へ移行しそうな段階であれば、ご本人のやる気次第でまだまだサルコペニア・フレイルから抜け出すことができます。
フレイルの原因をみていきます。
□身体的問題 加齢や慢性的な疾患によって筋肉量が減少して、基礎代謝量が低下します。そうするとエネルギーの消費量が減るので、食欲が低下してしまうので栄養がしっかりと摂取できず、低栄養状態になり、このループにはまってしまう。
□精神・心理的問題 認知機能低下・意欲や判断能力の低下・抑うつなど
□社会的問題 社会との交流が減ってしまい自宅に閉じこもりがちなってしまう。また、経済的困窮なども理由になる。
この3つのが絶妙に絡み合ってフレイルは進んでいきます。どれがフレイルの入り口になってもおかしくはありません。ここから抜け出すには早く原因を突き止め、早めの対処が必要になることはいうまでもありません。時間の経過が長くなるほど様々な要素が絡んでくることで複雑化します。
その中でも身体的問題がフレイルの入り口になることが多いように感じます。これは「年だから」という言葉の罪も関係していると個人的にはあると思っています。
年齢を重ねて何か不都合なことがあると「年だから」といえば許されてしまう風潮はどこかにあります。これは年長者を敬うこととは違います。70代で歩くことおぼつかない人もいれば、90代でも元気に歩いている人も働いている人います。この差はどこから生まれてくるのだろうと考えると「年だから」と言い訳に使う人は衰えが加速している気がします。年に負けない努力を一緒にしていけたらと思います。