前回は急性の痛みに関することが中心になっていましたが、今回は慢性痛をメインに紹介をしていきます。
肩こりので悩んでいる人は○○〇〇万人、腰痛で悩んでいる人は○○〇〇万人と言われることがありますが、この場合はほとんどの人が慢性痛の人と考えていいと思います。この人達がいきなり慢性痛になってしまったのかというとそんなことは無く一番はじめのきっかけは急性痛になります。
慢性痛の定義は「急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み」となっています。
痛みの理屈から考えると原因に上がってくる疾患や創傷は治っている状態になるので痛みを感じることはないはずなのですが現実はそうではありません。
慢性痛でのつらさを解消していくためには、この症状を理解しなくてはなりません。
痛みがあると必ず原因を探し求める傾向がありますが、そもそも、慢性痛の原因は誰にも突き止めることはできません。みなさんが言われる慢性痛の原因はきっかけになっているだけで、今感じている原因ではありません。もし、急性期の痛みが続いていたらまだ慢性期に入っていません。慢性痛の目安の期間は3ヶ月を超えても感じる痛みです。この期間で損傷部位が回復しない軟部組織はありません。ここから外れるのは部位により骨癒合が入ってきますが、痛みの問題は別になります。
慢性痛になってしまう過程は急性痛が出現し、痛みによって感じるストレスが複雑に絡んできます。これがはじめは原因がひとつはっきりとしていた所に要因が上乗せされてきます。この積み重ねで何が原因で何が要因になるのか分からなくなってしまいます。
問題を難しくしている理由のひとつに痛みに波があります。痛みを出す期間と痛みがない期間が存在し短ければ1日の中でも変わり、長いと数年のスパンになる可能性も出てきます。
何もしていないのに痛みが突然でてきた時は体の組織に異常がなければ、以前経験した急性痛が慢性痛となりあらわれた可能性が非常に高くなります。
慢性痛は腑に落ちるまで理解しにくいですが、理解できると対応の幅が増えます。