梅雨に入る前のあたりから何だか体の調子がすぐれないと感じる人は少なくないようです。
梅雨に限らず雨が降る前に同様の感覚になる人もいると思いますが。
このような時は検査をしたとしても異常が見つかるわけでもないので不定愁訴といわれます。
このよう事が起こる理由を紹介します。
□高湿度と気圧変化
梅雨は高湿度かつ気温が不安定な時期で、これが体調に影響を及ぼします。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節が困難になるため、倦怠感や疲労感が生じやすいです。
また、梅雨前線に伴う気圧の変動は、自律神経系に影響を与えます。
自律神経は心拍数や消化機能、睡眠などを調整しますが、気圧変化により交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、頭痛・めまい・肩こり・気分の落ち込みなどの症状が現れます。
特に、気象病(天気痛)を持つ人は、梅雨の低気圧で症状が悪化しやすいです。研究によれば、気圧変化が内耳や脳の感覚器官に影響し、不定愁訴を誘発する可能性が指摘されています。
□日照不足による影響
梅雨は曇りや雨の日が多く、日照時間が減少します。
日光はセロトニン(気分を安定させる神経伝達物質)の生成を促しますが、日照不足はセロトニン分泌を低下させ、気分が沈んだり、意欲が低下したりする原因になります。
これは季節性感情障害(SAD)に似たメカニズムで、特に女性やストレスを抱える人に顕著です。
また、日光はビタミンDの合成にも必要で、不足すると疲労感や筋肉痛、免疫力低下が起こり、不定愁訴の一因となる可能性があります。
□心理的・社会的要因
梅雨は「じめじめした」「憂鬱な」イメージが強く、文化的にもネガティブな印象が根付いています。
この時期に気分が落ち込むのは、気候への先入観や社会的な雰囲気も影響します。
例えば、雨で外出が減ると社会的な交流が減少し、孤立感やストレスが増えることがあります。
また、梅雨は新年度の疲れが溜まる時期(6~7月)と重なり、仕事や学校でのプレッシャーが不定愁訴を増幅させる場合もあります。
心理的なストレスは、身体的な症状(頭痛、胃腸不調など)として現れやすく、原因が特定しにくい不調につながります。
□カビやアレルギーの影響
梅雨はカビやダニが繁殖しやすい時期で、これがアレルギー症状(鼻づまり、咳、皮膚のかゆみなど)を引き起こします。こうした症状は軽度でも慢性的に続くことでストレスとなり、不定愁訴として認識されることがあります。
このような事が引き金になることもあるので事前に対策できることは準備をしましょう。